消化器センタートップ > 研究・発表 > 臨床研究内容

臨床研究内容

早期大腸癌に対する大腸内視鏡診断と内視鏡治療
Takemasa Hayashi: Study Report―Endoscopic Diagnosis and Treatment for Early Colorectal Cancer

当センターでは、全症例で拡大内視鏡を用いた大腸内視鏡検査をルーチン化している。病変を発見した場合、通常観察に続きNBI併用拡大観察を行い、vascular pattern分類(別項参照)に従って質的診断および深達度診断を行っている。さらに色素拡大内視鏡によるpit pattern診断を行い、治療方針を決定している。色素拡大内視鏡診断により、腫瘍・非腫瘍の鑑別のみならず、腫瘍の深達度診断検査が可能となっている。また、超拡大内視鏡(endocytoscopy:EC)は、病変の組織を採取することなく、in vivoで生きた病変を細胞レベルまで観察し、リアルタイムの組織診断(Optical biopsy)が可能となり、昨年当院での前向き試験において、病理組織診断において、生検に対するEC診断の病理予想の非劣性が証明されました。内視鏡のさらなる可能性がOptical biopsy(Endoscopic pathology)には秘められていると考えています。

早期大腸癌の治療に関しては、ESD (endoscopic submucosal dissection)が2012年4月より保険収載され当院でも積極的に治療を行っています。2013年3月までの1年間で120症例139病変をESDにて切除している。累計では580例を超え、他の先進施設と比較しても遜色ない治療実施数となりました。現在の段階では、内視鏡治療適応病変における大腸ESDの位置づけは、おもにLST病変と考えられているが、その中でもその臨床病理学的特徴からLST-NG偽陥凹型を絶対適応としている。また局注時non-lifting sign陽性で、pit pattern診断であきらかな粘膜内癌以深とされるLST病変においてもESD適応と考えられている。実際には内視鏡治療適応病変においてESDによる一括切除が望まれる病変は2%、LSTにおいては15%程度しかなく、拡大内視鏡診断のもとに適切な治療選択が行われることが望まれます。

(林 武雅)