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臨床研究内容

大腸癌研究会プロジェクト:2cm以下の大腸癌の臨床病理学的因子の検討

陥凹型腫瘍は悪性度が高い癌として知られている。しかし早期癌(SM癌)のみの検討では、腫瘍の病理学的因子やリンパ節転移の検討はできるものの、肝転移などの遠隔転移や長期予後の検討は難しい。陥凹型腫瘍が他の肉眼型に比べて悪性度が高いことを証明するには進行癌を含めて検討する必要があるが、逆に大きな進行癌になると、もともとの肉眼型が想定できない場合も多い。

小型進行大腸癌はその由来となる肉眼型が想定できる場合が多く、陥凹型腫瘍の割合が多いと考えらえる。当センターにおける大腸癌外科的切除例の検討でもT2・T3症例で2cm以下の小型進行大腸癌はリンパ管・静脈侵襲ともに高度であり、高い転移能を有している可能性が示唆された。

本プロジェクトは工藤教授を主任研究者とする多施設間共同研究である。目的は小型進行大腸癌の臨床病理学的因子を明らかにすることである。アンケート調査形式で患者背景,腫瘍所見,予後などのデータを収集し、分析する。2cm以下の小型進行癌500例を目標とし,さらに比較対象として2~4cm大の進行癌も調査する。

2011年1月の大腸癌研究会においてキックオフミーティングが開かれ、その後の大腸癌研究会で議論が重ねられプロトコールが完成した。現在は症例登録の段階である。

多施設によるこのような臨床研究は未だ世界的にも例がなく,小型進行大腸癌や陥凹型腫瘍について、インパクトのある新たな知見が得られることが大いに期待される.

(向井 俊平)